コンプレッサー配管設計は「空気を運ぶだけ」と軽視されがちですが、実際には圧損・リーク・振動・騒音・配管干渉など多くの課題が存在します。 適切な配管設計は生産設備の効率・圧力安定性・省エネに直結します。本記事では配管設計の基本原則から、現場でよく起こる**落とし穴と対策**まで、実務者視点でわかりやすく解説します。
エアー供給配管は、コンプレッサーから各機器までの空気を効率よく配送する役割を担います。配管が適切でないと、過度な圧損や音振動が発生し、圧力低下や設備故障を引き起こします。 直感や慣習で設計するのではなく、**物理原則に基づいて設計すること**が重要です。
| 影響要素 | 設備へ与える影響 |
|---|---|
| 圧力損失(圧損) | 末端圧力不足・効率低下 |
| リーク | 無駄エアー生産・電力浪費 |
| 振動・騒音 | 品質影響・騒音対策増加 |
| 保守性不足 | 停止時間延長・作業性低下 |
圧損とは「配管内で圧力が下がること」です。空気は粘性があり、**流速・配管長・曲がり角・表面摩擦**によって圧力が低下します。 これはコンプレッサーで作られた空気エネルギーが無駄になる原因です。
| 原因 | 圧損への影響 |
|---|---|
| 配管径不足 | 流速増加 → 圧損大 |
| 長い直管 | 摩擦損失増大 |
| 多くの曲がり | 乱流発生 → 圧損増 |
| バルブ・継手 | 局所抵抗で圧力ロス |
一般式としては、**配管径が小さく・流速が高く・距離が長い**ほど圧損が大きくなります。 設計段階でこれらを数値化し、適切なサイズ設計を行う必要があります。
配管径の選定は圧損に大きく影響します。一般的には、**必要空気量(流量)に応じた最適径を選定**することが基本です。
| 流量(m³/min) | 推奨配管径(mm) |
|---|---|
| 〜2 | 25〜32 |
| 2〜5 | 32〜40 |
| 5〜10 | 40〜50 |
| 10〜15 | 50〜65 |
| 15以上 | 65以上 |
※ 上記は目安であり、**圧損計算と負荷条件を確認して最適径を選定**することが重要です。
配管レイアウト設計では、次の基本原則を押さえることが重要です。
最短距離で配管を通すことで、圧損を最小限に抑えます。迂回や複雑な曲がりは圧損増加の原因になります。
配管を適切に支持し振動を伝播させないようにサポートを配置します。サポート間隔が広すぎると振動やたわみが発生します。
垂直配管は空気中の水分やドレン溜まりの原因になるため、**傾斜を設けてドレンが流れるように設計**します。
分岐部は **T字よりY字接続** の方が流れがスムーズで圧損が減少します。
| 設計ポイント | 推奨/非推奨 |
|---|---|
| 分岐形状 | Y字(推奨) / T字(注意) |
| サポート間隔 | 短めで安定支持 |
| ループ配管 | 必要に応じて設計 |
エアー配管設計でよくある失敗例と、その対策を整理します。
設備稼働後に末端圧力低下や圧損が発生するケースです。 **流量に見合わない配管径**を選定すると、末端で必要な圧力が確保できなくなります。 対策: 圧損計算を事前に実行し、流量条件に応じた配管径を選定します。
垂直配管や勾配がない配管により、ドレンが溜まり流路閉塞を招くことがあります。 対策: 配管を適切に勾配設計し、ドレン取り出し口を十分に確保することが重要です。
急な曲りや径の急変は流れを乱し圧損を増やします。 対策: できるだけ **Rの大きい曲り・段階的な径変更** を用い、乱流を抑えます。
配管設計は単独で完結するものではなく、**ドレン管理設計と連携**する必要があります。 特にドレンは配管内で溜まりやすいため、適切な **ドレン取り出しポイントの設計** が必要です。
| 配管部位 | ドレン対策 |
|---|---|
| 長尺直管 | 低点にドレン取り出し |
| 立上配管 | 傾斜付与 |
| 分岐点 | 水溜まり防止 |
配管は設計だけでなく、**施工と定期保守**が機能維持に重要です。点検すべき項目は以下の通りです。
エア配管設計は、末端の機器性能だけでなく、**生産性・省エネ・品質安定・保守性**すべてに影響する重要な設計要素です。 圧損を防止し、効率を最大化するための基本原則と落とし穴対策を理解し、実務で活用してください。
設備内容・稼働時間・将来増設を考慮し、最適な機種をご提案します。