コンプレッサーの騒音・振動対策完全ガイド
─ 効果的な防音・防振施工と現場改善ポイント

コンプレッサーは工場設備の中でも騒音・振動が発生しやすい機器です。 そのまま放置すると、作業環境の悪化、従業員の健康被害、機器の早期劣化や品質低下など、様々なリスクを引き起こします。 本記事では、**騒音・振動の原因分析、測定・評価方法、防音・防振施工、改善ポイント**を実務者向けに丁寧に解説します。

1|コンプレッサーの騒音・振動が発生する原因

騒音・振動は単一の要因ではなく、複数の原因が組み合わさって発生することが一般的です。まずはその主な要因を理解しましょう。

原因発生メカニズム
機械的振動モーター・ロータ・ピストンの動作による振動伝達
空気衝撃吐出エアの乱流やバルブ作動音
共鳴配管・パネル等との共振で増幅
基礎伝播床・支持構造を通じて振動が拡散
ポイント:騒音と振動は機械本体だけでなく、「周囲構造物との相互作用」で大きく変わります。 そのため原因分析は**設備と設置環境の両面**で行うことが重要です。

2|騒音と振動の評価と測定方法

騒音・振動対策を行う前に、**現状の“見える化”** が必須です。代表的な評価方法を確認しましょう。

騒音測定

振動測定

測定項目機器注意点
騒音レベル騒音計静穏時と稼働時の比較
振動加速度加速度計複数点で周波数解析
共鳴周波数FFT解析器共振点の特定が重要

3|騒音対策(防音)の基本方法

騒音対策は大きく分けて **遮音・吸音・遮へい** の3つのアプローチがあります。

① 遮音(Sound Transmission Blocking)

音の伝播経路を遮断する方法です。 例えば、コンプレッサー室を密閉構造にし、防音パネルで音の漏れを減らします。

② 吸音(Sound Absorption)

音を材料内部で熱エネルギーに変換して減衰させます。 吸音材(ウレタンフォーム・フェルト等)を壁面に取り付ける方法が代表的です。

③ 遮へい(Sound Barrier)

音源周囲に壁やカーテンを設置して、音の拡散を抑制します。 石膏ボードや防音カーテンを活用したゾーニングが有効です。

対策主な効果適用例
防音室・囲い音漏れ大幅減少コンプレッサー本体周囲
吸音パネル反射音減衰室内壁面
防音カーテン局所遮へい作業通路との境界
防音材は、**厚み・密度・取り付け位置**によって効果が変わります。音の周波数帯に応じた材料選定が重要です。

4|振動対策(防振)の基本方法

振動対策は、**伝達元(機器)→ 伝達経路(基礎・架台)→ 伝達先(建屋・周囲設備)** のそれぞれを断つことがポイントです。

① 防振ゴム・スプリング

基礎と機器の間に設置し、振動を分断します。 ゴムは低周波に有効、スプリングは中〜高周波に有効です。

② ベースアイソレーション

建屋基礎と設備基礎の間に防振部材を設け、**建物側への伝達を抑制**します。 特に精密機器周辺で効果的です。

③ 配管・配線の振動絶縁

配管やダクトが振動を拾うと、建屋内に振動が伝播します。 フレキシブルジョイントや緩衝材で振動絶縁を行います。

防振方法主な効果用途例
防振ゴム基礎伝達の低減中小機械
スプリングアイソレーター振動減衰(低周波)大型機械
フレキシブル継手配管振動遮断配管・ダクト

5|設置改善による騒音・振動低減ポイント

適切な設置方法と周囲環境設計は、騒音・振動対策の基本です。ここでは改善ポイントを整理します。

① 床・基礎構造の強化

コンクリート基礎の厚みや支持構造を最適化することで、振動の伝播を抑えられます。 特に大型コンプレッサーでは専用基礎が効果的です。

② 設置位置の最適化

人が集まる場所や作業ラインから離すことで、騒音・振動の直接影響を避けられます。 また、吸音材や遮音壁との組み合わせが効果的です。

③ 周囲設備とのクリアランス

隣接設備や配管からの干渉を避けることで、**共振・増幅**を抑制できます。 一定の間隔を確保し、振動・音の伝播経路を最小化しましょう。

6|評価と改善サイクルの実務ポイント

騒音・振動対策は一度で完結するものではなく、**測定→改善→再評価**のサイクルが重要です。 以下のフローで運用しましょう。

ステップ実施内容
測定騒音計・加速度計で現状把握
分析原因の特定・優先課題整理
改善防音・防振施工・設置改善
評価改善効果の再測定
改善継続履歴管理・定期測定
改善サイクルは最低でも**6ヵ月に1回**実施し、季節変動(湿度・温度)も加味した評価が有効です。

7|まとめ

コンプレッサーの騒音・振動対策は、単なる騒音対策だけでなく、作業環境・設備寿命・品質安定につながる重要な課題です。 本ガイドで紹介した測定方法・原因分析・防音・防振施工・改善サイクルを実践し、現場に最適な対策を行いましょう。 定期的な評価と改善の継続が、安定稼働と快適な作業環境の両立につながります。

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