コンプレッサー周辺装置の選び方
─ エアードライヤー/フィルター/受圧タンクなど最適構成

コンプレッサー本体だけでなく、**周辺装置の最適構成**が工場の稼働効率・品質・電力効率に大きく影響します。 エアードライヤー、フィルター、受圧タンクなどの装置は、空気品質確保・設備保護・省エネ運用の要です。 本記事では周辺装置の役割・選定基準・最適配置・実務的注意点を、豊富な表とともに体系的に解説します。

1|周辺装置の全体構成と役割

コンプレッサーと併せて設置される主な周辺装置とその役割を整理します。

装置主な役割効果・必要性
受圧タンク圧力安定・貯留圧力変動低減/運転効率向上
エアードライヤー除湿/水分除去配管腐食防止/工具品質維持
フィルター微粒子・油分除去設備保護/空気品質向上
ドレン分離器オイル・水分分離排水処理/メンテ性向上
圧力制御弁供給圧力制御節電/品質安定
コンプレッサー周辺装置は、**設備の性能を引き出し、トラブルを未然に防ぐ“安全弁”のような存在**です。導入時の評価を怠らず、装置同士の連携を設計することが大切です。

2|受圧タンクの選び方とポイント

受圧タンク(エアータンク)は、コンプレッサーから出た空気を一時的に貯留し、安定した圧力供給と無駄運転の低減に寄与します。 特に複数台制御やピーク運転時には必須です。

受圧タンクの主な機能

容量目安(L)用途備考
100〜300小規模設備制御安定化の基本レベル
500〜1000中規模工場ピーク対応・台数制御向け
1000以上大規模・多負荷安定稼働・電力削減効果大

容量は稼働負荷・ピーク需要・配管長などを考慮して選定します。容量が不足すると圧力変動・過剰起動が発生し、効果が薄れます。

3|エアードライヤーの役割と選定基準

エアードライヤーは、圧縮空気中の水分を取り除く装置です。水分は配管内腐食・製品不良・空気工具の故障につながるため、ドライヤー選定は空気品質設計の根幹です。

方式特徴メリットデメリット
レシプロ式熱交換+冷却初期費用低水分除去限界あり
冷凍式冷却による凝縮除湿ランニングコスト低低温期効率低下
吸着式乾燥剤で除湿低露点対応再生制御・コスト高
膜式気体拡散で除湿可搬性高除湿量は限定的

選定は **必要露点(乾燥レベル)・使用温度・運転条件** を基準に行います。 特に湿度問題が品質に直結する場合は、冷凍式+吸着式の組合せなどの検討も有効です。

4|フィルターの種類と選び方

フィルターは空気中の**微粒子・油分・水分**を取り除き、設備保護や工具性能の維持に不可欠です。用途に応じて適切なフィルター構成を選びます。

フィルター種除去対象目安用途
プレフィルター大粒子・塵埃5〜40μm初段除塵
エレメントフィルター微粒子1〜10μm中間処理
精密フィルター微細粒子・油分<1μm品質重視ライン
オイルミストセパレーター油分除去〜0.01mg/m³製造精密機器用

フィルターは **グレードを組み合わせる** ことで効率的なろ過が可能になります。 「粗 → 中 → 精」 の段階的構成が一般的です。

フィルター交換は配管全体の性能に影響します。**交換周期管理と差圧監視**を導入すると、効率低下や余分な圧損を防げます。

5|ドレン分離・排水処理の考え方

コンプレッサー空気には水分やオイルが含まれるため、ドレン分離器や排水処理装置も重要です。 周辺装置の構成として、配管末端やタンク底部に適切に設置します。

処理段階装置役割
粗水分除去ドレン分離器水分・オイル分離
中間処理オイルセパレーター油分回収
最終排水中和槽/処理槽環境対応排水

ドレン管理は配管全体の性能に直結します。水分やオイルが放置されると、配管腐食・品質低下・圧損増加を招きます。

6|周辺装置の最適構成例

以下は用途別の最適構成例です。現場条件・品質要求レベルに応じてカスタマイズします。

用途構成特記事項
一般工場(乾燥不要)コンプレッサー → 受圧タンク → プレフィルター基本構成
精密加工コンプレッサー → 受圧タンク → エアードライヤー → 精密フィルター品質優先
高湿環境コンプレッサー → ドレン分離 → ドライヤー → タンク → フィルタードレン処理重視

7|選定時の実務チェックリスト

8|まとめ

コンプレッサー周辺装置は、空気品質の確保・設備保護・省エネなど多面的な効果をもたらします。 エアードライヤー・フィルター・受圧タンク・ドレン処理といった装置を、**用途・環境・品質要件**に合わせて最適に構成することで、設備全体のパフォーマンスが大きく向上します。 本ガイドを参考に、現場に最適な周辺装置構成を設計してください。

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