コンプレッサーの「ドレン(圧縮空気中の水分)」は、設備の不調・腐食・品質不良の大きな原因になります。 正しいドレン管理は、設備の長寿命化、省エネ化、トラブル低減につながる重要な日常業務です。 本記事では、自動ドレンの仕組み・排水方法・点検方法・故障予防まで、実務担当者向けに詳しく解説します。
コンプレッサーが圧縮した空気には必ず水分が含まれます。 水分は配管内に溜まると、次のような問題を引き起こします。
| ドレンの影響 | 具体例 |
|---|---|
| 配管腐食 | 配管・バルブの錆 |
| 品質不良 | 製品に水滴混入 |
| 制御系異常 | ピストン・バルブの固着 |
| 圧力低下 | 末端機器の能力不足 |
ドレンは単なる「排水」ではなく、設備寿命・品質確保・省エネに直接影響する要素
圧縮空気中の水分は、周囲温度・圧力によって飽和しやすくなります。 圧縮すると温度が上昇しますが冷却されると水分が凝縮して“ドレン”として発生します。
| プロセス | 説明 |
|---|---|
| 圧縮 | 空気中の水分が圧力と温度によって飽和 |
| 冷却 | 圧縮後に熱が放散し水分が凝縮 |
| ドレン発生 | 配管・タンク底部に水分として溜まる |
ドレン排水にはおもに次の手法があります。
人が手でバルブを開いて排水する。費用が低い反面、**作業忘れや繁忙時の見落とし**が発生しやすい。
ウエイトやフロート機構で自動的に排水が可能。比較的シンプルでコストも中程度。
電磁弁やタイマーで定期的に自動排水。**頻繁排水・汎用性が高い**ため多くの現場で採用されている。
| 方式 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 手動 | 低コスト | 人依存・忘れやすい |
| 機械式自動 | 中コスト・簡便 | 誤作動リスク |
| 電磁式自動 | 確実排水・設定自在 | 電源必要 |
自動ドレンにはいくつかの原理があります。代表的なものと、どの現場に向いているかを整理します。
| 方式 | 動作原理 | 向いている現場 |
|---|---|---|
| フロート式 | 水位上昇でバルブ開放 | 比較的安定したドレン発生 |
| タイマー式 | 時間経過で弁開放 | 大量ドレン発生・高湿環境 |
| 電磁弁式 | 電気制御で弁開閉 | 高頻度排水・中央制御 |
| パイロット式 | 圧力差で駆動 | 電源不要・省エネ現場 |
選び方のポイント: (1)環境湿度 (2)運用形態 (3)電源可否 を考慮し、**過不足なく排水できる方式**を選びましょう。
ドレン排水は、ただ流すだけでは不十分です。水だけでなく、**オイル混入・微粒子含有**の可能性があります。 そのため、処理方法は以下のように使い分けます。
| 排水方法 | 用途 | ポイント |
|---|---|---|
| 屋外直接排水 | 無害な水分のみ | 清掃経路を確保 |
| オイルセパレーター併用 | 油分・エア分離 | 油回収・環境配慮 |
| 中和槽・処理槽 | 廃水処理 | 環境規制対応 |
多くの工場では **オイルセパレーター→中和槽** の2段階処理が一般的で、 設備の現行排水基準と環境法規制に対応した排水管理が求められます。
ドレン装置が故障すると、放置された水分が配管腐食や品質トラブルを引き起こします。 定期的な点検と予防策は設備維持の基本です。
| 点検項目 | チェック内容 |
|---|---|
| フロート機構 | 固着・動作確認 |
| 電磁弁 | 通電時の開閉動作 |
| 配管詰まり | 目詰まり・水たまり |
| 異音 | 異常振動の有無 |
| 排水量 | 設計値と比較 |
ドレン管理はコンプレッサーの安定稼働、品質確保、そして設備寿命の延長に直結する重要な管理項目です。 自動ドレンの仕組みを理解し、適切な排水方法と定期的な故障予防対策を実践することで、設備トラブルを未然に防止できます。 本ノウハウを活用して、現場のドレン管理を見直しましょう。
設備内容・稼働時間・将来増設を考慮し、最適な機種をご提案します。