地震・台風・停電などの有事では、コンプレッサーが停止するだけで生産停止や品質不良、設備損傷リスクが一気に高まります。 本記事では「具体的で実務に使える対策」を中心に、災害・停電発生前・発生中・復旧までの三段階でコンプレッサーを守る現実策をまとめました。 経営判断・設備担当者どちらの視点でも活かせる内容です。
コンプレッサーは単なる「空気供給設備」ではありません。 多くの生産ラインや安全機構、計測機器に圧縮空気が不可欠であり、**停止=重大リスク**につながる可能性があります。
| 影響範囲 | 停止時のリスク |
|---|---|
| 生産ライン | 空圧装置が停止 → 生産停止 |
| 空圧工具 | 作業遅延・人員再配置が必要 |
| 安全機構 | 非常停止機能不全のリスク |
| 品質管理 | 圧力変動 → 不良発生 |
災害や停電は予兆がないことも多いですが、対策は事前準備がすべてです。 以下の3つの対策は “今すぐ始められる” ものです。
| システム | 用途 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| UPS | 瞬間停電対応 | シームレス稼働 | 時間は短い |
| 自家発電機 | 長時間停電対応 | 大容量可 | 燃料確保・保守が必要 |
**理想はUPS+発電機** の組み合わせで、瞬停から長時間停電までカバーします。 UPSはコンプレッサー電源だけでなく、制御盤・センサー・警報用にも必要です。
地震発生時、配管応力や振動で破損するケースがあります。 設備固定/緩衝構造化で被害を低減します。
設備の転倒・配管破断は長期停止に直結します。 **保守点検時に固定状態や緩衝部を必ずチェック** します。
有事に対応するマニュアルがないと、混乱が生じやすくなります。 次のような手順書を事前に整備しておきましょう。
| 手順書 | 目的 | ポイント |
|---|---|---|
| 停電遮断・復旧 | 安全停止・再起動 | 優先電源リスト化 |
| 緊急安全停止 | 人員・設備守る | 連絡先明示 |
| 設備復旧 | 正常化まで導く | チェック項目順序化 |
災害発生中は状況が刻々と変わります。ここでは **“現場で最低限やるべきこと”** を実務ベースで整理します。
停電発生直後は瞬断を拾うUPSが最優先です。 以下手順で対応します。
**UPS→発電機 の切替動作を定期的にテスト** することが、実災害時の成功率を上げます。
長時間停電・設備不安定時は、急停だけでなく**安全停止順序に従うこと**が重要です。 制御盤/PLC が動かない場合は手動で停止・ブレーキ確保を行います。
| 順序 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 主要運転機器停止 | 安全優先 |
| 2 | 圧力解放 | 高圧残留防止 |
| 3 | ドレン強制排出 | 水分溜まり防止 |
震災時は通信が分断される可能性があります。 現場内の連絡網、グループLINE、衛星電話など**複数コミュニケーション手段**を用意します。
停電・災害が収束した段階での復旧プロセスは、再停止防止・安全確保に直結します。 順序立てた復旧作業を実施します。
| 対象 | チェック内容 |
|---|---|
| 主要機構 | 外観・配管・配線 |
| ドレン・水分 | 溜まり・排水 |
| 制御盤 | 異常ランプ/誤動作 |
| 電源系 | 停電復旧状態 |
制御値・圧力推移・電力消費・異音・振動を確認し、正常状態かを評価します。 記録値と比較し、異常がないかを重点的に見ます。
災害対応後は必ず**レポート作成→改善計画立案** を行います。次の災害・停電に備えるための重要な材料になります。
| 報告項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生状況 | 時刻・影響範囲 |
| 対応手順 | 実行手順・問題点 |
| 復旧内容 | 確認値・テスト結果 |
| 改善課題 | チェックリスト更新 |
災害・停電は予測できませんが、**備えと実践手順の整備 → 現場での動作 → 事後の改善** というサイクルによって初めて被害を最小化できます。 コンプレッサーは工場にとって重要な設備だからこそ、災害時の現実策を日頃から整理し、訓練しておく価値があります。
設備内容・稼働時間・将来増設を考慮し、最適な機種をご提案します。