災害・停電時にコンプレッサーをどう守るか
─ 現場でできる現実策

地震・台風・停電などの有事では、コンプレッサーが停止するだけで生産停止や品質不良、設備損傷リスクが一気に高まります。 本記事では「具体的で実務に使える対策」を中心に、災害・停電発生前・発生中・復旧までの三段階でコンプレッサーを守る現実策をまとめました。 経営判断・設備担当者どちらの視点でも活かせる内容です。

1|なぜ災害・停電時の対策が必要か

コンプレッサーは単なる「空気供給設備」ではありません。 多くの生産ラインや安全機構、計測機器に圧縮空気が不可欠であり、**停止=重大リスク**につながる可能性があります。

影響範囲停止時のリスク
生産ライン空圧装置が停止 → 生産停止
空圧工具作業遅延・人員再配置が必要
安全機構非常停止機能不全のリスク
品質管理圧力変動 → 不良発生
災害・停電は「起きないことを祈る」ではなく、**起きても被害を最小化する準備**が必要です。 ここでは、停電・災害の“発生前/発生中/復旧”それぞれでできる対応を整理していきます。

2|発生前にやるべき基本対策

災害や停電は予兆がないことも多いですが、対策は事前準備がすべてです。 以下の3つの対策は “今すぐ始められる” ものです。

2-1|非常用電源(UPS/発電機)の整備

システム用途メリット注意点
UPS瞬間停電対応シームレス稼働時間は短い
自家発電機長時間停電対応大容量可燃料確保・保守が必要

**理想はUPS+発電機** の組み合わせで、瞬停から長時間停電までカバーします。 UPSはコンプレッサー電源だけでなく、制御盤・センサー・警報用にも必要です。

2-2|配管・装置の耐震固定と緩衝対策

地震発生時、配管応力や振動で破損するケースがあります。 設備固定/緩衝構造化で被害を低減します。

設備の転倒・配管破断は長期停止に直結します。 **保守点検時に固定状態や緩衝部を必ずチェック** します。

2-3|停電・災害時の運用手順書の準備

有事に対応するマニュアルがないと、混乱が生じやすくなります。 次のような手順書を事前に整備しておきましょう。

手順書目的ポイント
停電遮断・復旧安全停止・再起動優先電源リスト化
緊急安全停止人員・設備守る連絡先明示
設備復旧正常化まで導くチェック項目順序化

3|発生中にやるべき現実策

災害発生中は状況が刻々と変わります。ここでは **“現場で最低限やるべきこと”** を実務ベースで整理します。

3-1|UPS投入・非常用電源の確認

停電発生直後は瞬断を拾うUPSが最優先です。 以下手順で対応します。

**UPS→発電機 の切替動作を定期的にテスト** することが、実災害時の成功率を上げます。

3-2|設備の安全停止順序を守る

長時間停電・設備不安定時は、急停だけでなく**安全停止順序に従うこと**が重要です。 制御盤/PLC が動かない場合は手動で停止・ブレーキ確保を行います。

順序対象理由
1主要運転機器停止安全優先
2圧力解放高圧残留防止
3ドレン強制排出水分溜まり防止

3-3|人員・安全確保と通信連携の徹底

震災時は通信が分断される可能性があります。 現場内の連絡網、グループLINE、衛星電話など**複数コミュニケーション手段**を用意します。

災害下では「現場判断・即時対応」が求められます。 **日頃からの訓練とシミュレーション** が、実災害時の混乱を防ぎます。

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4|復旧後にやるべき最重要ポイント

停電・災害が収束した段階での復旧プロセスは、再停止防止・安全確保に直結します。 順序立てた復旧作業を実施します。

4-1|設備点検・損傷確認

対象チェック内容
主要機構外観・配管・配線
ドレン・水分溜まり・排水
制御盤異常ランプ/誤動作
電源系停電復旧状態

4-2|試運転とデータ確認

制御値・圧力推移・電力消費・異音・振動を確認し、正常状態かを評価します。 記録値と比較し、異常がないかを重点的に見ます。

4-3|復旧報告と改善計画

災害対応後は必ず**レポート作成→改善計画立案** を行います。次の災害・停電に備えるための重要な材料になります。

報告項目内容
発生状況時刻・影響範囲
対応手順実行手順・問題点
復旧内容確認値・テスト結果
改善課題チェックリスト更新

5|現場でできる“災害準備チェックリスト”

6|まとめ:備え→実行→改善のサイクル

災害・停電は予測できませんが、**備えと実践手順の整備 → 現場での動作 → 事後の改善** というサイクルによって初めて被害を最小化できます。 コンプレッサーは工場にとって重要な設備だからこそ、災害時の現実策を日頃から整理し、訓練しておく価値があります。

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