コンプレッサーは工場の重要インフラ設備である一方、日常点検が「形だけ」「忙しくてできない」という声もよく聞きます。 しかし、日常点検は設備寿命や省エネ、故障予防に直結する重要業務です。 本記事では、**現場負担を考慮しながらも継続できる日常点検のチェック項目とポイント**を、実務者向けにわかりやすく整理しました。
日常点検は、故障予防・異常早期発見・安全確認を目的として、**毎日の稼働の前後や休み明けに実施する**基本的な点検です。 定期点検(週次・月次)と比べて項目は少なめに設定し、**日常のルーティンワークとして無理なく継続できる**ものにすることが重要です。
| 点検タイプ | 実施頻度 | 目的 |
|---|---|---|
| 日常点検 | 毎日 or 交替時 | 異常サインの早期発見 |
| 定期点検 | 週次/月次 | 部品摩耗の把握・調整 |
| 精密点検 | 年次/半年 | 内部部品の劣化評価 |
日常点検が続かない理由は「忙しい」「やる意味が分からない」「作業が煩雑」という意見が多いもの。 これを解決するため、次のような設計が有効です。
次章以降では、これらを踏まえたチェックリストを実例とともに解説します。
現場で毎日続けられるよう、時間の短い順番(前〜後)に並べたチェックリストです。
| 項目 | チェック内容 | 基準/注意点 |
|---|---|---|
| 電源・表示灯 | 異常ランプ・警報確認 | 点灯・点滅なし |
| 圧力計 | 設定圧力と実圧のズレ | ±5%以内 |
| 油圧・油面 | 油量確認 | 適正レンジ内 |
| 異音・異振動 | 耳で確認 | 違和感なし |
| 配管・継手 | 漏れ・結露確認 | 異常なし |
| ドレン排出 | ドレントラップの水分除去 | 正常排水 |
| 温度上昇 | 機体表面温度測定 | 過熱なし |
このチェックは **1日5〜10分程度**で完了できる内容です。 忙しい現場でも数値と目視・聴覚で確認できる項目で構成されています。
すべてを同時に実施するのではなく、**優先度をつけてリソース配分**をすることが重要です。
| 優先度 | 項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | 電源・表示灯、圧力計 | 即停止リスク防止 |
| 中 | 油圧・ドレン排出 | 効率低下防止 |
| 低 | 配管継手・振動 | 長期保全 |
日常点検で重大な「停止リスク」や「品質事故リスク」を早期発見することが目的のため、 高/中/低の優先度に従い、**毎日でも負担が小さい順に実施**していくことが現場負担を抑える鍵です。
日常点検は「いつやるか」も継続性に影響します。以下のように時間帯を決めることで習慣化しやすくなります。
| 時間帯 | 実施内容 | 工数目安 |
|---|---|---|
| 前始業 | 電源・警報・圧力計 | 2〜3分 |
| 休憩前 | ドレン排出・油面 | 2〜3分 |
| 後終業 | 異音・振動・配管確認 | 3〜4分 |
**合計でも10分以内**で完了できます。 短時間で終わるチェックを「始業・休憩・終業」に分散させることで、現場の負担を最小化します。
チェックした結果は「記録」することで意味が生まれます。 単に確認するだけでなく、**日々の変化を見える化して傾向をつかむ**ことで、早期予防的な対応につながります。
→ **短時間でできるチェックに絞る+時間帯分散**で対応可能です。 チェック表を朝・昼・終業に分けることで習慣化します。
→ 数値基準を設定することで、**明確な判定**ができます。 例:圧力差 ±5%以上、油面低下 10%超など。
→ **点検担当ローテーション+共有シート**で属人化を防ぎます。
日常点検は、コンプレッサーの安定稼働・長寿命化・省エネにとって不可欠な基礎活動です。 現場負担を最小化しつつ、**毎日継続できる仕組みを設計すること**が成功のポイントです。 本記事で紹介したチェック項目・実施時間・記録方法を現場に取り入れ、無理なく日常点検を続けてください。
設備内容・稼働時間・将来増設を考慮し、最適な機種をご提案します。