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2015年11月27日 金曜日配信  文 スタッフ-matsumoto

3Dプリンターがより身近なものに!


3Dプリンターで完成品を製造し、販売する取り組みが
広がっています。複雑形状を一体造形できる点や、
個人の要望に適合するような特注での商品制作、
嗜好に的を絞った商品提供の実現といったメリットを生かした用途です。
一方で、3Dプリンターの精度や強度、コスト、
納期といったことに対する不十分さを指摘する声もあります。

今回のコラムでは、製造装置として3Dプリンターを活用している
実際の取り組み事例や、最新の個人向け低価格プリンターなど
3Dプリンターについての最新動向をいくつかお伝えします。

■日本発!オープンソースの電動義手
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2015年の「グッドデザイン賞」を受賞した電動義手
「HACKberry(ハックベリー)」は、装着者の筋肉の動きを判別して動く
「電動義手」です。そのシャープなデザインも特徴的ですが、
HACKberryの最大の特徴は、オープンソースになっていることと、
3Dプリンターで作ることが可能な点です。
HACKberryの3Dデータ、回路基板のデータなどはすべてオープンソース化
されており、世界中どこからでもダウンロードし、利用することが可能に
なっています。そのため、価格や地理的な要因で義手を使うことができない
世界中の多くの人に、HACKberryを使ってもらうことを可能にしています。
実際、世界各地でHACKberryを作る人が現れ始めているようです。

■3Dプリンターで服を量産!? その素材は…プラスティックだった!
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アパレルのオンライン製作サービスを展開するSTARtedは、
3Dプリンターを使った服の量産販売に向けて、そのプロトタイプ(原型)
となる「3D Normcocre(3Dノームコア)」を発表しました(2015年11月16日)。
「3D Normcocre」の製作にあたり、素材にはAuxetic Materials
(オーセチック構造)による”しなやかなプラスティック”が採用され、
素材ではなく、構造による柔軟さとしなやかさを持った状態を作り出しています。
また、3Dプリントされた構造物を接合する手順や、布地とプラスティック部の縫製、
着心地の追求なども含めて衣類製造のための技術やノウハウも蓄積しており、
さまざまなデザインの服の製造が可能です。
今後は素材や構造、製法を見直し、さらなる開発が進められ、
2016年内には、”しなやかなプラスティック”を使い、3Dプリンターでの
服の量産販売が展開される予定です。

■世界初の3Dプリンター市販車!
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自動車製造の世界でも、3Dプリンターの先進技術を使った新たな試みが
行われています。中でもローカル・モーターズは、世界初となる
3Dプリント車「LM3D Swim(スイム)」を今年のSEMAショーで発表し、
この分野における大きな一歩を踏み出しました。
ローカル・モーターズは、来春より同車の先行予約を開始し、
最初の納車は2017年初めになる見込みです。
価格設定は5万3,000ドル(約650万円)前後になる予定で、
ローカル・モーターズは、"安全でスマート、そしてサステイナブル"な
クルマになると掲げています。
3Dプリンターの革新の波は自動車業界にも侵食してきています。
これからの自動車の進化から目が離せません。

■家庭用3Dプリンター「ダヴィンチ Jr. 1.0w」
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プリンターの設計や製造を手がける「XYZプリンティングジャパン」は、
税込み5万9800円で軽量、コンパクトな個人向けの3Dプリンター
「ダヴィンチJr. 1.0w」を発売しました。
本体サイズは420(幅)×430(奥行き)×380(高さ)ミリ、重量は12キロで、
最大出力サイズは150(幅)×150(奥行き)×150(高さ)ミリです。
操作は簡単なので、初めて3Dプリンターを使用する人でも安心して
楽しむことができ、初めて使うその日からすぐにイメージをカタチにできます。
Wi-Fi機能を搭載し、PCと接続するほか、専用のアプリ「XYZprinting App」
を通してタブレット端末(iOS/Android)からも操作できます。
作成されたオリジナル3Dデータを公開したり、公開された3Dデータを
ダウンロードできる専用サイト「XYZギャラリー」も利用でき、
データを無料ダウンロードして出力することも可能です。

製造業をはじめとする工業分野では、3Dプリンターは以前から
使われていましたが、非常に高価でした。
しかし数年前から数十万円という低価格のものが登場し、
いっきに需要が広がってきました。
3Dプリンターを使うことによって、製品の完成イメージを
すばやくつかむことができます。
そのため、建築分野ではビルなどの3Dモデル作成に使われ、
医療分野では、MRIのデータから臓器の3Dモデルを作成したり、
人工動脈生成の研究にも応用されています。
今後さらに3Dプリンターが普及すれば、私たちにとって
より身近なものとなり、ますますその可能性を広げていくでしょう。









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